妊活のための鍼灸治療でめでたく妊娠!
~そんな時いつも思うこと~
当院では妊娠しやすい身体づくり(妊活)のための鍼灸治療にも力を入れております。
生命の誕生というのは神秘的であり、そこに関われる有難さと責任をいつも感じながら鍼灸施術をさせていただいております。
先日、めでたく体外受精により陽性反応をいただいた患者さんの診療の中で、というより、嬉しい報告には違いありません。しかし、これは鍼灸だけの効果ではなく、患者さんが行っている多くの努力と結びついての結果だと、当たり前のことかもしれませんがいつも思います。
鍼灸の効果が、例えば、漢方薬やサプリメントや、生活習慣の改善などと影響し合って、患者さんにとって良い結果を及ぼしているのだと感じています。
鍼灸施術を行う場合は、確かにエビデンスや治療効果の追求は重要なことですが、繰り返しになるかもしれませんが、体外受精や人工授精、タイミングや自然妊娠の場合も全て言えことだと思いますが、良好な結果を及ぼす要因の一つとして鍼灸刺激は効果を発揮しているのだと、不妊症の患者さんと接していていつも気付かされます。
【今月の初め陽性判定をいただいた患者さん】
・30代前半の女性 ・仕事あり(専門職) ・結婚は当院来院4年前
・ご主人様は2歳年上で精液所見問題なし。
・鉄欠乏性貧血の既往あり ・子宮内膜症あり ・子宮筋腫・腺筋症もあり
・肌や尺膚、顔の色は白 ・中肉中背 ・性格は明るく、頑張りやさん
・食欲、便通、睡眠には特に問題ないが、運動は仕事場への短い距離の歩行程度
・来院目的:体外受精の成功と妊娠しやすい身体への体質改善
● 結婚後2カ月、子宮内膜症のためか排卵抑制があり一般婦人科にてタイミング療法を始める。科学流産もあったが良い結果には結び付かなかった。その後、専門クリニックに転院し9~10回ほど人工授精を行うが良い結果が得られず、心も身体も疲れたので1年ほど不妊治療は休憩。気力を取り戻し、当院来院の年の4月より体質改善のため、漢方薬局で漢方薬を処方してもらい服用。生理時の痛みや血液の性状が改善して体調も良くなってくる。9月より、専門クリニックを転院して体外受精を開始。2個の受精卵ができたが1個は異常胚となる。当院へは上記目的で”明日移植”という段階で初診となる。
● 米国等の文献では、移植前後に鍼治療を行った方がわずかであるが妊娠率が高くなると述べているものはあるものの、だからと言って移植の成功率が格段に上がることはないことを告げ、この移植が成功することに越したことはないが、良い結果が得られなかった場合のことも説明し、定期的に鍼灸治療を継続して体質改善していきましょうとお話する。
● 結果は陰性。その後、週1回から10日に1回ペースで鍼灸治療。仕事やお家の事情もあり、ややそのペースよ治療回数は少なくなる。専門クリニックでの不妊治療も今年の3月より再開。採卵→受精卵凍結→移植というスケジュールとなり、お家も事情も落ち着いたので、ほぼ週1回の鍼灸治療を実施することができた。
● 採卵では3個とれた卵ちゃんが全て受精卵へ。凍結して翌周期が移植周期。ハッチングも行い4月末に移植。採卵前から心がけたことは「運動」週数回ジムへ通い有酸素運動を中心に汗を流す。栄養に関しては問題なし。漢方薬も継続して服用。サプリメントの乳酸菌は今回は採るのをやめた。
● 当院では口が酸っぱくなるくらい運動をしていない方には運動を進めています。その記事はブログに書いてありますのでご参照ください。
妊活と鍼灸治療~運動しましょう~ 3 ミトコンドリアを元気にする運動(2)
この患者さんの経過等を検討しても、鍼灸だけの力ではなく、漢方薬や運動などの日常生活の改善等があり、鍼灸がどこかにアシストして採卵ならびに体外受精を成功に導いた・・・その一要因と考えることはできるかと思います。
鍼灸施術はあくまでも、この生殖の分野では女性の身体や心というベースの部分を調整して、妊娠しやすい体質に導く施術であるという当院のスタンスは改めて間違っていないと感じます。
妊娠しやすい身体づくりに鍼灸施術を取り入れたい、あるいはご興味のある方は、どんな些細なことでもよろしいですのでご連絡いただければ有難く思います。